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工程表の作り方と種類(バーチャート・ネットワーク)

管理人K
この記事の監修:管理人K
施工管理歴15年 / 1級土木施工管理技士

1. 工程表は現場の「羅針盤」

現場監督の仕事は「工程管理に始まり、工程管理に終わる」と言っても過言ではありません。工事を決められた工期内に、安全かつ高品質に完成させるためのスケジュール表が「工程表」です。

単なるカレンダーではなく、「どの作業を、いつ、誰が、どれくらいの期間で行うか」を視覚化し、関係者全員(発注者、協力会社、近隣住民)で共有するための重要なツールです。

2. 代表的な工程表の4つの種類

① バーチャート工程表(最も一般的)

縦軸に作業項目(工種)、横軸に日付(期間)を取り、作業期間を横棒(バー)で表したものです。Excel等で簡単に作成でき、パッと見て「いつからいつまで何の作業があるか」が誰にでも直感的に分かるため、現場で最も多用されます。ただし、作業と作業の関連性(Aが終わらないとBが始められない等)が分かりにくいのが欠点です。

② ガントチャート工程表

バーチャートと似ていますが、縦軸に作業項目、横軸に「達成率(出来高%)」を取るのが特徴です。主に工場での生産管理や、進捗の度合いを正確に把握したい場合に使われます。

③ ネットワーク工程表

丸(ノード)と矢印(アロー)を使って、作業の順序や関連性を網目状に表したものです。「クリティカルパス(工期に直結する最も時間のかかる経路)」を割り出すことができ、大規模で複雑な工事の工期短縮を検討する際に不可欠です。

④ 曲線工程表(バナナ曲線など)

横軸に工期、縦軸に出来高の累計比率(%)を取り、S字型の曲線を描くグラフです。予定曲線と実績曲線を比較し、工事全体が順調に進んでいるか(上方・下方修正が必要か)を一目で確認できます。

3. 実践!バーチャート工程表の正しい作り方

施工管理の現場で日常的に作成する「月間工程表」や「週間工程表」の作り方の手順を解説します。

  1. 全体工期の確認とマイルストーン設定: 着工日と引き渡し日(竣工日)を確認し、絶対に動かせない中間目標(足場解体日、仮設電力切り替え日など)を設定します。
  2. 作業項目の洗い出し(細分化): 図面を読み込み、必要な工種をリストアップします。漏れがあると後で致命的な遅れに繋がります。
  3. 作業日数の算定: 現場の広さ、人員、資材の搬入ペースを考慮し、「土工は何日で終わるか」「鉄筋は何日かかるか」を計算します。職長へのヒアリングが重要です。
  4. 作業順序の決定: 「基礎が終わらなければ鉄骨は建てられない」といった物理的な制約に基づき、作業の順番を決定します。
  5. 余裕日数(バッファ)の確保: 雨天やトラブルによる遅延を見込み、カツカツのスケジュールではなく、数日の余裕を持たせます。

4. 工程管理の失敗あるあると対策

❌ 詰め込みすぎた「希望的観測」の工程表

「雨が1日も降らない」「人員が毎日フル稼働する」という前提で作られた工程表は、着工後1週間で崩壊します。必ず過去の気象データ等を参考に、実態に即したバッファを組み込みましょう。

❌ 職人さんとの共有不足

所長が一人でExcelで作った工程表を壁に貼るだけでは意味がありません。週間工程表は、職長会の場などで「来週の火曜日はレッカーが入るから、このエリアは資材を置かないで」といった具体的な調整(すり合わせ)を行うためのツールとして活用してください。

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